とある少年サッカーの試合を見ていたときのことですが、初老の監督さんが一生懸命ピッチ上のある選手にアドバイスを送っていました。穏かな口調で、丁寧にアドバイスしている姿が印象的でした。
アドバイスをされていた子は、監督の意図が理解出来ずに何度も同じミスを繰り返していました。具体的には、オフサイドに何度もかかっていて動き方についてアドバイスしていたようでした。
まだ前半の途中だったのですが、アドバイスが伝わっていないのが分かった監督は、ついにその子を交代させました。流石に我慢の限界だったんだろうと勝手に思いつつも、せめてハーフタイムまでは待ってあげればいいのにと思いました。
ところが、その後意外な光景を目にしました。ベンチに戻ってきたその子に、試合は完全にそっちのけで実際に体を動かしながら身振り手振りで一生懸命、教えていました。
正直かなりビックリしました。中々出来ることではないと思います。ハーフタイムではなく、今言っておかないと本人が理解出来ないという思いがあったんだと思います。その子は、後半からまた出てきました。動きが格段に良くなったかというわけではなかったのですが、少なくともオフサイドに掛からないような動き方をしようとしていることは見ていて分かりました。そういう意味では監督さんが行ったことは、その子にとって大きな成長に繋がったと思います。
また、そのチームの子ども達は失敗を恐れずにどんどんチャレンジするプレーをしていたのが印象的でした。失敗したからといって交代させられるようなことがないんだと思います。
監督と選手に信頼関係があるとてもよいチームでした。